
SCORM教材の作り方を解説|活用シーンからおすすめLMSまで
自社の研修コンテンツをeラーニング化し、社外向けに配信・販売したいと考える企業が増えています。その中で重要になるのが、学習履歴やテスト結果を正しく管理できる「SCORM(スコーム)」形式です。
SCORM対応教材を作成することで、LMS間の互換性を高めながら、受講進捗や修了状況を正確に取得できるようになります。
本記事では、SCORM教材の基本から、ゼロから作る方法、既存PowerPointをSCORM化する方法、おすすめツールや活用シーンまで詳しく解説します。
etudesでは「eラーニングやオンライン講座販売のビジネスを立ち上げたい」「現在の販売システムを変更したい」企業さまに、プラットフォームをご提供しています。システムのビジネス向け利用について知りたい方はお気軽にご相談ください。
目次[非表示]
- 1.SCORM教材とは?
- 1.1.なぜSCORM形式が必要なのか
- 2.SCORM教材を作る前に準備するもの
- 3.SCORM教材の作り方を6ステップで紹介
- 3.1.手順1:教材構成を設計する
- 3.2.手順2:教材コンテンツを制作する
- 3.3.手順3:オーサリングツールに取り込む
- 3.4.手順4:テスト・クイズを設定する
- 3.5.手順5:SCORM形式で書き出す
- 3.6.手順6:LMSへアップロードして確認する
- 4.既存のPowerPointをSCORMに変換することも可能
- 5.SCORM教材作成におすすめのツール
- 5.1.iSpring
- 5.2.Articulate Storyline
- 5.3.Adobe Captivate
- 6.SCORM教材の活用シーン
- 6.1.社内eラーニング研修
- 6.2.フランチャイズ・代理店向けeラーニング配信
- 6.3.社外向けeラーニング販売
- 7.SCORM教材の注意点
- 8.SCORM対応・社外配信可能なLMSならetudes Biz-Platform
- 9.まとめ
SCORM教材とは?
SCORM(スコーム)とは、eラーニング教材とLMS(学習管理システム)間で学習履歴や進捗データを正しくやり取りするための国際標準規格です。
SCORM対応教材であれば、受講開始・修了状況・テスト結果・学習時間などをLMS側で一元管理できます。さらに、異なるLMSでも利用しやすい互換性の高さが特長で、自社研修の社外販売やパートナー教育にも適しています。eラーニング運用を効率化したい企業にとって、SCORM対応は欠かせないポイントといえるでしょう。
SCORMの基本的な仕組みやメリットについては、以下の記事もあわせてご覧ください。
SCORMとは?eラーニングで使われる規格の仕組みやメリットをわかりやすく解説
なぜSCORM形式が必要なのか
SCORM形式が求められる大きな理由は、LMS間の互換性を高めながら、学習データを正確に取得できる点にあります。独自形式の教材では、利用するLMSが変わるたびに再作成や調整が必要になるケースがあります。一方、SCORM対応教材であれば、多くのLMSで共通利用できるため、システム変更時の負担を軽減できます。
また、社外向けの研修販売や代理店教育では、「誰が・いつ・どこまで学習したか」を把握することが重要です。SCORM形式なら受講進捗やテスト結果を取得できるため、受講管理や教育効果の可視化にも役立ちます。
SCORM教材を作る前に準備するもの
SCORM教材をスムーズに作成・運用するためには、事前準備が重要です。特に「どのLMSで配信するか」「どのツールで教材を作成するか」によって、作業効率や運用負荷が大きく変わります。また、社外向けに研修コンテンツを販売する場合は、受講履歴の取得や安定配信、コンテンツ管理のしやすさも欠かせません。
ここでは、SCORM教材を作成する前に準備しておきたい代表的なものを紹介します。
LMS
SCORM教材を活用するには、まずSCORM規格に対応したLMS(学習管理システム)が必要です。LMSは教材配信だけでなく、受講者管理や進捗確認、テスト結果の集計などを行う役割を担います。
特に社外向けに研修コンテンツを販売する場合は、「受講履歴を正しく取得できるか」「大量の受講者に安定配信できるか」が重要なポイントです。SCORM非対応のLMSでは学習データを取得できないケースもあるため、事前確認が必要不可欠です。
オーサリングツール
SCORM教材を作成するには、専用の「オーサリングツール」を準備する必要があります。オーサリングツールとは、動画・スライド・テスト問題などを組み合わせてeラーニング教材を作成し、SCORM形式で書き出せるソフトウェアのことです。
代表的なツールには、iSpring SuiteやArticulate Storylineなどがあります。近年では、PowerPointをそのままSCORM化できるツールも増えており、既存研修資料を活用しながら効率的に教材制作を進められます。
自社の運用体制や制作難易度に合ったツール選定が重要です。
教材コンテンツ
SCORM教材を作る前に、配信したい教材コンテンツを整理しておきましょう。動画、PowerPoint、PDF、テスト問題、ナレーション原稿など、教材の元データを事前に準備しておくことで制作がスムーズになります。
eラーニング教材は、「誰に何を学んでほしいか」を明確にし、学習目的に沿った構成にすることが重要です。既存の集合研修資料をそのまま流用するだけでは理解しづらい場合もあるため、eラーニング向けに内容を簡潔化・再構成する視点も求められます。
配信設計
SCORM教材は作成するだけでなく、「どのように配信・運用するか」を事前に設計しておくことも大切です。例えば、受講対象者、受講期限、修了条件、テスト合格基準、受講後のフォロー方法などを決めておくことで、LMS設定や教材設計がスムーズになります。
実際に受講するユーザーの視点に立ち、あらかじめ配信フローを整理しておくことで、導入後のトラブル防止にもつながります。
配信フローや修了条件の設計は、その後の運営効率を左右します。教材販売ビジネスをスムーズに立ち上げるための全体像については、以下の資料をご活用ください。
SCORM教材の作り方を6ステップで紹介
SCORM教材は、ポイントを押さえれば専門知識がなくても作成可能です。特に近年は、PowerPoint資料を活用して簡単にSCORM化できるツールも増えており、自社研修のeラーニング化を進めやすくなっています。
SCORM教材を作成する流れは、以下の6つのステップに分けられます。
- 手順1:教材構成を設計する
- 手順2:教材コンテンツを制作する
- 手順3:オーサリングツールに取り込む
- 手順4:テスト・クイズを設定する
- 手順5:SCORM形式で書き出す
- 手順6:LMSへアップロードして確認する
各ステップごとに、詳しく紹介します。
手順1:教材構成を設計する
まずは、教材全体の構成を設計します。「誰に向けた教材か」「何を学習してほしいか」を整理し、章立てや学習順序を決めていきます。
eラーニングでは受講者が自発的に学習する形式となるため、誰でも迷わずに学習を進められる流れを作ることが重要です。また、動画・スライド・確認テストなど、どの形式をどこで使うかもこの段階で検討します。あらかじめ構成を明確にしておくことで、SCORM化後の修正を減らし、制作効率を高められます。
手順2:教材コンテンツを制作する
設計した構成に沿って、実際の教材コンテンツを制作します。PowerPoint資料をベースにする場合は、説明テキストや図表を整理し、eラーニングでも理解しやすい内容に調整しましょう。必要に応じて動画や音声ナレーションを追加すると、学習効果を高められます。
また、1コンテンツあたりの学習時間を長くしすぎないことも重要です。受講者が集中しやすいよう、短い単位で区切りながら制作することで、離脱防止にもつながります。
手順3:オーサリングツールに取り込む
制作した教材コンテンツを、SCORM対応のオーサリングツールへ取り込みます。PowerPoint連携型のツールであれば、既存資料をそのまま活用できるため、効率的にSCORM教材を作成できます。
この段階では、スライド遷移や音声設定、動画埋め込みなども調整します。また、受講者が直感的に操作できるよう、メニュー表示やナビゲーション設定を整えることも重要です。完成後の受講体験を意識しながら設定を進めましょう。
手順4:テスト・クイズを設定する
学習内容の理解度を確認するために、確認テストやクイズを設定します。SCORM教材では、テスト結果や合格・不合格情報をLMS側で取得できるため、学習成果の可視化に役立ちます。
設問形式は、選択問題・○×問題・複数回答などさまざまです。修了条件や合格点を設定することで、受講品質の担保にもつながります。また、単なる知識確認だけでなく、実務を想定した問題を取り入れることで、より実践的な学習コンテンツになります。
手順5:SCORM形式で書き出す
教材の設定が完了したら、オーサリングツールからSCORM形式で書き出します。一般的には「SCORM1.2」または「SCORM2004」を選択できるため、利用するLMSの対応規格に合わせて設定しましょう。
書き出し後は、ZIP形式のSCORMパッケージファイルが生成されます。このファイルには教材本体だけでなく、学習履歴を管理するための情報も含まれています。設定を誤るとLMS上で正しく動作しない場合があるため、出力前に規格や修了条件を再確認することが大切です。
手順6:LMSへアップロードして確認する
最後に、作成したSCORM教材をLMSへアップロードし、正常に動作するか確認します。
実際に受講者目線で教材を操作し、「進捗が正しく記録されるか」「テスト結果が反映されるか」「修了判定が動作するか」をチェックしましょう。特に社外向け配信では、利用環境や端末が多様になるため、PC・スマートフォン両方で確認しておくと安心です。etudes Biz PlatformのようなSCORM対応LMSであれば、教材管理から受講データ取得までスムーズに運用できます。
既存のPowerPointをSCORMに変換することも可能
SCORM教材はゼロから新規制作するだけでなく、既存のPowerPoint資料を活用して作成することも可能です。すでに社内研修で使用しているスライドがあれば、オーサリングツールを使って効率的にSCORM化できます。特に、研修コンテンツを短期間でeラーニング化したい企業にとっては、既存資産を流用できる点が大きなメリットです。
PowerPointをベースにすることで制作負荷を抑えながら、SCORM対応教材として学習履歴やテスト結果を取得できるようになります。
PowerPointをSCORM化する場合は、SCORM対応のオーサリングツールを導入し、本記事で紹介した「手順3:オーサリングツールに取り込む」以降の流れで進めます。ツールによってはPowerPointアドイン形式になっており、普段の操作感のままSCORM形式へ書き出せるものもあります。既存教材を活かしながら、社外向け配信やLMS運用に対応できる点は大きな魅力といえるでしょう。
SCORM教材作成におすすめのツール
SCORM教材を効率的に作成するためには、用途に合ったオーサリングツール選びが重要です。ツールによって得意分野が異なり、「PowerPointを活用したい」「高機能な演出を入れたい」「システム操作を動画で見せたい」など、目的に応じて選定する必要があります。
ここでは、SCORM教材作成でよく利用される代表的なツールを紹介します。
iSpring
iSpringは、PowerPointをベースにSCORM教材を作成したい企業におすすめのオーサリングツールです。
PowerPointのアドインとして利用できるため、普段使っているスライド資料をそのまま活用しやすい点が特長です。操作も比較的シンプルで、専門知識がなくてもSCORM教材を作成しやすいため、初めてeラーニング化に取り組む企業にも適しています。既存研修資料を短期間でSCORM化したい場合に特に有効な選択肢といえるでしょう。
Articulate Storyline
Articulate Storylineは、インタラクティブ性の高い教材を作成したい場合に適した高機能オーサリングツールです。クリック操作や分岐シナリオ、アニメーションなど多彩な表現が可能で、受講者の理解促進につながるリッチな教材を制作できます。
自由度が高い分、ある程度の操作習熟は必要ですが、本格的なeラーニングコンテンツを制作したい企業には人気があります。社外向け販売用の高品質教材を作りたい場合にも適しています。
Adobe Captivate
Adobe Captivateは、システム操作説明や実演系コンテンツを多く扱う場合におすすめのツールです。画面録画機能に優れており、ソフトウェア操作マニュアルや業務手順説明をeラーニング化しやすい点が特長です。また、シミュレーション形式の教材制作にも対応しており、実践的な学習コンテンツを作成できます。
IT研修やシステム利用教育など、操作習得を目的としたSCORM教材との相性が良いツールです。
自社の制作体制に最適なツールと、それを活かすプラットフォームの組み合わせが重要です。システム選定の判断基準をまとめたガイドを以下よりご確認いただけます。
SCORM教材の活用シーン
SCORM教材は、単なる社内研修用途だけでなく、さまざまな教育ビジネスシーンで活用されています。SCORM教材の代表的な活用シーンとして、以下が挙げられます。
- 社内eラーニング研修
- フランチャイズ・代理店向けeラーニング配信
- 社外向けeラーニング販売
それぞれ、詳しく紹介します。
社内eラーニング研修
SCORM教材は、社員研修のeラーニング化で広く活用されています。コンプライアンス研修や情報セキュリティ教育、新人研修などをオンライン化することで、場所を問わず受講できる環境を構築できます。
また、LMS上で受講進捗やテスト結果を管理できるため、「誰が未受講か」「理解度は十分か」を可視化できる点もメリットです。集合研修の負担軽減や教育の標準化を進めたい企業に適した活用方法といえるでしょう。
フランチャイズ・代理店向けeラーニング配信
フランチャイズ加盟店や代理店向け教育でも、SCORM教材は効果的に活用されています。商品知識や接客マニュアル、業務ルールなどをオンライン配信することで、全国拠点へ均一な教育を提供できます。
また、受講履歴や修了状況を取得できるため、「どの店舗・代理店が受講済みか」を一元管理できる点も重要です。社外ユーザーへの配信では管理負荷が増えやすいため、SCORM対応LMSを活用することで効率的な運用が可能になります。
社外向けeラーニング販売
SCORM教材は、自社ノウハウや研修コンテンツを社外向けに販売するビジネスにも活用できます。例えば、業界知識講座や資格対策講座、専門スキル研修などをオンライン教材として提供することで、新たな収益化につなげられます。
SCORM形式に対応していれば、受講進捗や修了管理を正確に行えるため、受講品質の担保にも役立ちます。
etudes Biz PlatformのようなSCORM対応LMSを利用することで、教材配信から販売・受講管理まで一元的に運用できます。
社外向けeラーニング販売の始め方は、以下の記事で詳しく紹介しています。
eラーニング販売の始め方完全ガイド|システム選定のポイントも解説
SCORM教材を活用した社外向けビジネスの運用ノウハウや、具体的な機能要件についてはこちらの資料をご覧ください。
SCORM教材の注意点
SCORM教材を運用する際は、利用するLMSがSCORM規格に対応しているかを事前に確認する必要があります。SCORM非対応のLMSでは、教材自体は表示できても、学習進捗やテスト結果などのデータを正しく取得できない場合があります。その結果、「修了判定が反映されない」「学習履歴が記録されない」といった運用トラブルにつながる可能性もあります。
社内向け・社外向けを問わず、eラーニング配信では受講管理や学習データ取得が重要になるため、SCORM対応は欠かせません。また、LMSによって対応しているSCORMバージョン(SCORM1.2/SCORM2004など)が異なる場合もあるため、教材作成時に規格を合わせる必要があります。
SCORM教材を最大限活用するためには、教材だけでなくLMS選定まで含めて検討することが重要です。
SCORM対応・社外配信可能なLMSならetudes Biz-Platform
SCORM教材を効果的に活用するためには、SCORM対応のLMS選定が重要です。特に社外向けeラーニング販売や代理店教育では、「受講履歴を正しく取得できるか」「大量の受講者へ安定配信できるか」「複数企業を管理しやすいか」といった点が求められます。
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まとめ
SCORM教材は、eラーニングの学習履歴やテスト結果を正しく取得するための標準規格です。SCORM対応にすることで、LMS間の互換性を高めながら、社内研修だけでなく、代理店教育や社外向けeラーニング販売にも活用できます。
SCORM教材の作成には、LMSやオーサリングツール、教材コンテンツなどの事前準備が重要です。また、既存のPowerPoint資料を活用してSCORM化する方法もあり、効率的にeラーニング化を進めることができます。
SCORM教材を最大限活用するためには、SCORM対応LMSの導入が欠かせません。etudes Biz-Platformなら、SCORM教材の配信・管理に対応し、社外向けeラーニングビジネスまでスムーズに支援できます。自社コンテンツのオンライン販売を検討している企業は、ぜひ活用を検討してみてください。




